職業訓練校での生活
職業訓練校の入校日までに、制服の採寸・購入や電車の定期券の購入など、準備を進めていき、職業訓練校での生活が始まりました。
職業訓練校の訓練生について
職業訓練校に入り、まずは、それぞれの自己紹介から始まりました。
自分の通った職業訓練校は、基本的に各コース6ヶ月の訓練であり、開講月が4月・7月・10月・1月となっていました。
自分は7月に入校したので、4月に入校された方々と一緒に訓練を受ける形になりました。
1コース約30名の受講生がいますが、自己紹介を聞いていると、職業訓練校には、とにかくいろいろな職歴の方々がいらっしゃいます。
自分と同じような非正規雇用から正社員を目指している方や、建設業や専業主婦をされていた方、トラックやタクシーの運転手や農業をされていた方々など、皆さんそれぞれの事情があり、仕事を辞め、転職を希望されている方たちでした。
受講生の方たちの自己紹介と、それまでの仕事のことなどをを聞かせていただきながら、いかに自分が世間を知らなかったか、「人それぞれにいろいろな人生があるんだな」と改めて実感しました。
職業訓練校の訓練
各職業訓練校で訓練内容は違うと思いますが、自分の受講した「ビル設備」コースは、主にビルメンテナンスに関する知識・技術の習得を中心にした訓練が行われました。
ちなみに、ビルメンテナンスを行う上でビルメン4点セットと言われる資格があります。それが、
・第二種電気工事士
・危険物取扱者 乙種4類
・二級ボイラー技士
・第三種冷凍機械責任者
の4つの資格です。
「ビル設備」コースの訓練も、この4つの資格取得に向けた座学と実技が行われました。その他にも「給排水設備」、「消防用設備」、パソコンで「Word」や「Excel」、「Jwcad」について学ぶ訓練もありました。
ちなみに、訓練を受けて、ビルメン4点セットの資格で自分が難易度が高いと思った順番は、
1 第三種冷凍機械責任者
2 第二種電気工事士
3 危険物取扱者 乙類4種&二級ボイラー技士
と、このような難易度の順位だと思います。特に、第三種冷凍機械責任者は、講師の先生の話を聞いていても、なかなかイメージがつかめず、冷凍サイクルの座学では夢の世界へと…(おい、起きろ‼)。
自分が通った職業訓練校では、資格の取得は講座を受講してから、任意で資格試験に挑むという形を取っていましたが、結構質問できたり、実技の練習ができたりと、資格を取るためのバックアップをしてくれました。
また、近年の企業の動向(どのような人材を求めているか、どのような企業の求人が多いかなど)や法律関係(労働基準法や各税法)の講習、履歴書のより良い書き方や注意点、面接などの練習など、就職活動に向けた講座も多かったように思います。
本当に実践的な指導をしてくださります
就職活動期間の始まり
さて、7月に入校してから3か月目に入った10月。自分の通っていた職業訓練校では、入校から3か月目に入ると就職活動ができるようになります(それ以前に就職活動をやってはいけないという訳ではありませんが…)。
自分の場合、就職担当者の方から、「無資格・未経験のため、早めに就職活動しておいた方が良いですよ」とアドバイスしていただきました。
確かに、アラフォーの無資格・未経験男を雇っている会社などそんなにないと思いましたし、6ヶ月の訓練が終われば、就職が決まっていなくても自動的に職業訓練校からは退所となります。
一応、職業訓練校は退所後も就職に向けたフォローをしてくれますが、無職の期間が長くなれば、生活費などの金銭面も厳しくなりますし、就職先での印象も悪くなるようです(無職の期間が長いと、いろいろなところで就職できなかったんだと思われる会社もあるようです)。
ということで、就職活動期間に入ってすぐの訓練が休みの日にさっそくハローワークへ。
職業訓練校の掲示板には、毎日と言っていいくらいハローワークからの求人情報が掲載されます。できるだけ毎日見に行くようには心がけおり、その中からいくつか面接を受けてみたい会社があったので、ハローワークで再チェック。
しかし、その中のいくつかは、すでに採用者がいるとのことでした。やっぱり、条件面などが良く、人気の職種はすぐに採用が決まってしまうようです。
・自分が良いと思った会社は早めにチェックして、面接へ行くなどの行動を早くとるべきですね。
せっかく、ハローワークに来たので、求人情報を端末で探していると、「電気工事士募集 無資格・未経験可」という求人があり、職員の方に職業訓練校でチェックしていた会社と一緒に、先方に連絡をしていただきました。
その数分後、電気工事会社の社長から連絡があり、「明日の午後にでも、面接に来ないか?」という連絡をいただきました。面接で落ちて当然の身であり、せっかくのことなので面接をしていただくことに。
翌日、面接に行くと、社長と面接をしていただくことに。開口一発目が「あれ?もっとガテン系の人だと思った」と…。確かに、今までスーツ着て仕事してましたから、ガテン系ではありません…。
履歴書を見ていただいたのですが、電気について全くと言っていいほど勉強をしておらず電気の知識がないこと、電気とは無縁の仕事をしていたこと、デスクワークの仕事が多かったことを見て、社長も「う~ん…」と一言。
確かに、そうなりますよね…。
社長は若い時、いくつもの大きな現場で経験を重ねられており、電気工事士、建築現場の厳しさをよく知っておられます。
社長に言われたことは、「職業訓練校で電気工事士について少しは聞いたかもしてないけど…」
・体力的にかなり厳しい仕事であること。
・覚えることが多いため、とにかく勉強をしっかりしなければならない。
・無資格で未経験なため、年下の作業員からも厳しいことを言われるため、それに耐えられるか。
ということでした。
確かに、40代で、しかも無資格・未経験な身で簡単に務まる仕事ではありませんし、体力的にも精神的にも厳しい生活になることは間違いありません。
これは、「完全に落とされたかな…」と思っていたところ、社長から一言。
でも、「この仕事で重要なのはコミュニケーション能力があることだよ」と言われました。「君は、ずっと私の話をしっかり聞いてくれてるし、その姿勢はこの仕事で大切なことだよ」と、「この仕事はハッキリ言ってキツイ仕事だけど、もし君にやる気があるのならば、ここで頑張りなさい」と言ってくださいました。
ただ、「年齢的に体力面では厳しいので、現場で早く仕事を覚えて、資格をたくさん取っていくこと」が条件として出されました。
具体的には、
・まずは、第2種電気工事士の資格取得(これがないと仕事ができません…)。
・次に、第1種電気工事士の資格取得。
・さらに、1級電気工事施工管理技士の資格の取得(この資格の受験資格が第1種電気工事士の免許取得が条件のため)。
というものでした。
「40代の無資格・未経験の無鉄砲者に、ここまで考えてくださる方はなかなかいらっしゃらないな…」と思い、この会社で仕事をさせていただくことになりました。
無事に転職。そして、職業訓練校を退所へ。
さて、運よく就職活動1発で面接に受かり、電気工事士デビュー(?)という流れになりました。
さっそく、職業訓練校の講師の先生や就職支援の担当者、同じ「ビル設備」コースの受講生の方々に報告すると、皆さんから「良かったね~」というお言葉と、「無資格・未経験のあなたが1発で就職できるなんて…」という驚きの声をいただきました。
自分でも落ちるつもりで面接に行ったので、一番ビックリしたのは自分なんですけどね…。
ということで、就職先が決まったことで、職業訓練校では退所手続きに入ります。
6ヶ月の訓練が満期ですが、3ヶ月ちょっとで退所することになり、「もう少しここでいろいろな訓練を受けてみたかったな」という気持ちもありますが、これからは、新しい就職先で頑張らないといけません。
一応、就職先の社長からは、退所の手続きのため、1週間の時間をいただいたので、職業訓練校の方々も時間に余裕をもって、自分の退所手続きができたようでした。
職業訓練校の退所手続きは、2~3日は必要なので、急に退所しなければならない受講生がいた場合、かなりバタバタした手続きになるようです。
職業訓練校の最終日は、「ビル設備」コースの受講生の方々や講師の先生、就職支援の職員の方々にお礼を言って、退所することになりました。
短い間でしたけど、職業訓練のほかに、いろいろな人生勉強ができたと思います。
転職を考えておられる方々、もし、興味があれば職業訓練校に行くことも一つの転職にいい道だと思います。
それから、職業訓練校の講師の先生の言葉で、転職についての心に残ったアドバイスが、
「転職するなら、次の就職先を見つけてから、仕事を辞めるべきだ」
うん、名言ですね。自分でもそう思います…。
でも、とてもいい経験になりました
まとめ
・職業訓練校には、さまざまな職歴の方がいます。世間を知るための勉強にもいいところです。
・資格取得と就職のために、職業訓練校では手厚いサポート、相談を受けられます。
・良いと思った求人票は早めのチェック、そして、ダメ元で担当者に連絡をした方がいいです。
・転職する時は、できるだけ次の職場を見つけてから転職しましょう。