電気工事士マンガ 転電虫【第65話:縁起の悪い畳】
あとがき
ある新築住宅の施工をさせていただいていた時の話。
その現場は、若い新人監督さんが見られていたのですが、時々ベテラン監督さんも様子を見に来られていました。
このベテラン監督さん、職人さんの間でも「仏の監督」と呼ばれるほど穏やかな監督さん。
自分も電気工事士として働き始めた時に、このベテラン監督さんの現場で数々の失敗をやらかしたのですが、
「大丈夫、大丈夫。まだ、新人さんだからね~。今度から気をつけて」と優しい言葉をかけてくださるお方。
ところが、施工が進んだ現場を見て回る中、和室を見たベテラン監督さんの顔が…。
さっきまで、ニコニコしていた仏の顔はなくなり、怖い形相で携帯電話を取り出し、
「畳屋さんかい?早く現場に来て」と、メチャクチャ低い声で畳屋さんを呼び出しました。
畳屋さんが現場に到着して、何かあったのかと思っていると、
「畳屋さん、この和室、切腹の間になってるじゃないか!」という声が。
畳屋さんも「あっ!!」と気がついた様子。
あとで、ベテラン監督さんに聞いたところ、自分は全く知らなかったのですが、畳にも並べ方があり、
こちらが、「切腹の間」という昔の武士が切腹をするために使われた畳の敷き方のようです。
こちらが通常(普通)の畳の敷き方だそうです。
茶室の敷き方のようです。
※監督さんに聞いて、少し調べただけなので、間違っていたらスミマセン…(詳しくは畳屋さんに聞いてください)。
お施主様に、「縁起の悪い住宅を引き渡しすることはできないからね」と、ベテラン監督さんは仰っていました。
自分も勉強して、こんなことがないように気をつけたいと思いました。
建築現場にいると、「ホントに知らないことが多いなぁ」と感じることが多々あります。
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